∮ Story

 

 様々な種族が共存する国、カルセドニー。

 自然豊かなこの国では、戦争も起こらず穏やかな日々が続いていた。

 

ある大嵐の晩、魔法使いの暮らす小さな村で膨大な魔力を持った女の子が生まれる。

この国では、100年に1度、莫大な魔力を持つ女児が生まれるという

言い伝えがあり、その魔力の強さから女神、GOD、GOD持ち等と称されていた。

 

 時を同じくして、都アクアラは突如現れた魔物の大群に攻め込まれていた。

煌びやかな王宮は一瞬にして魔王の居城へと姿を変えてしまい、

人々は以前のような自由な生活を奪われてしまった。

 

 20年の時が経ってなお、魔王は都アクアラを支配し続けていた。

国は魔王に30,000,000エールの懸賞金をかけ、都アクアラへは魔王を討伐するべく

多くの人々が押し寄せたが皆魔王の力の前に敗北していった。

 

 カーネリアに住む少年クリム・トールの耳にもアクアラの噂は入っていた。

授業も上の空でぼんやり外を眺めるクリムは、ふいに立ち上がりゆるく宣言した。

「・・センセ~、俺、魔王倒して懸賞金生活しま~す。じゃっ」

引き留める先生にヘラっと笑いかけると、

「このまま何となく卒業して、将来安月給でこき使われて働くのなんかゴメンだね」

とゆとり全開の発言をかまして教室を出て行った少年は、

夢の懸賞金生活のため、無謀にもひとりで魔王討伐の旅に出る。

 

フロールの森を歩くクリムは、愛らしい兎の魔物に出くわす。

何も知らないクリムがそっと兎に手を伸ばそうとしたその時、

 

 

 

「あなた、食べられたいの?・・・その子、可愛い顔して血が大~好きな獰猛な魔物よ?」